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◉ サービス名

Divvy Homes

◉ サービス内容  

アメリカでは消費者の約3割がサブプライム層(クレジットスコア(*)650点以下/850点)に属する。同層は信用力が低いため、銀行などの金融機関からはローンの借入れできず、住宅購入等の大きな買い物は、手の届かない状況である。この問題を解決しようと、無担保の個人ローンを提供するフィンテック企業はここ数年急増したものの、金融危機の余震が未だに続いているため、住宅購入を支援する企業は少ない。
 
Divvy Homesはサブプライム層の住宅購入を可能にできるソリューションを展開している。それは、購入選択権付き賃貸住宅(英名:rent-to-own)を提供するサービスである。利用者は特定の基準(クレジットスコア550以上、12ヶ月以上の職歴期間など)を満たすことにより、住宅購入のオプションを持つことができる。基準を満たした利用者はまず、購入したい住宅物件を選ぶ。通常、住宅購入には20%の頭金が要求されるが、当社の利用者は2%のみの頭金を支払う。その後、Divvyがその住宅を直接買い取り、利用者に3年後の住宅購入金額を提示し、3年間までリース契約として貸し出す。リース代のうち、70%が実際の家賃、5%が家のメンテナンス、そして残りの25%が家に対する資本クレジット(エスクローに入金され、住宅購入に至らなかった場合でも利用者が保有する額)として振り分けられる。リース契約終了後、利用者が住宅購入を希望する場合、Divvyが当初に設定した住宅価額で購入することができる。その際、リース期間に利用者が支払った資本クレジットは、頭金、若しくはローンの支払いとして使える仕組みとなっている。
 
最近Softbankが投資したOpendoor社等、自社で住宅を買い上げるビジネス・モデルは主流となってきている。しかし、住宅市場が今後低迷する可能性が高いため、利用者がリース契約終了後に住宅購入せず、会社の資産として残されるリスクは十分にある。特にDivvyはサブプライム層を取り扱っているため、リスクはかなり大きい。このビジネス・スタイルが今後どこまで伸びるのか、注目したい。
 
(*)アメリカではクレジットスコアはその人の信用度を図る時に使われる。アメリカでは電気、ガスなどの支払は全てクレジットカードで行われるが、クレジットスコアが低いと、クレジットカードを作ることすら難しい。

◉ 設立年

2017年

◉ 累計資金調達額

3700万ドル


<出典>From the Alley:アメリカで注目すべきスタートアップを紹介するメルマガ
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