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◆ 日本の食品ロス事情
皆さん、日本の食品ロス事情をご存知でしょうか?
国内における年間の食品廃棄量は、食料消費全体の3割にあたる約2,800万トン。このうち、「食品ロス(※1)」は約632万トンとされており、世界の食料援助量(平成26年で年間約320万トン)を大きく上回る量です。また、日本人1人当たりに換算すると、”お茶碗約1杯分(約136g)の食べ物”が毎日捨てられている計算となります。地球上の資源も無限ではありません。そんな食品ロスを防ぐためにFood(フード)×Technology(テクノロジー)=Foodtech(フードテック)が有効です。
※1:食品ロス – 売れ残りや期限を超えた食品、食べ残しなど、本来なら食べられたはずの食料
参考資料:「食品ロス」年間約632万トン 、1人1日お茶碗約1杯分(約136g)の食べ物が捨てられている日本
◆ そもそもFoodtech(フードテック)とはなんぞや?
Foodtechとは、農産物生産、食品設備の製造、食品の鮮度管理、流通、調理方法、飲食店の検索方法など多岐にわたります。
今回は、大きく分けて5つの領域に分類してお伝えいたします。
① 最先端技術領域
→ 予約/顧客台帳システム、特殊調理など、最先端のテクノロジー技術を用いたサービス
② デリバリー領域
→ 食料雑貨の配達、自炊セット宅配、オンラインオーダーサービス
③ ディスカバリー領域
→ 店舗検索、料理人派遣、クーポンなど検索から来店/サービス利用を促進するサービス
④ スマートアグリカルチャー領域
→ 農業技術を蓄積したIT技術を用いた、温度、湿度、養分その他のセンサーネットワークと連携して自動化する農業技術を用いたサービス
⑤ グローバルサービス領域
→ 海外の面白いサービスを取り上げます!
◆ フードテックサービス ~ ① 最先端技術領域 ~
予約/顧客台帳システム、特殊調理など、最先端のテクノロジー技術を用いたサービス
< 予約管理・店舗生産性向上 >
O;der
→ アプリから注文できる、スタンプが貯まるお財布いらずのモバイルオーダーサービス
TORETA
→ 繁盛店づくりを支える予約/顧客台帳サービス
Tablesolution
→ レストランの予約管理・顧客管理と、お客様のネット予約画面が一体となった総合管理システム
RenoSys
→ 飲食・小売ビジネスの業務効率化と売上増を低コストで実現できるサービス
< 器具関連 >
カロリーアンサー
→ 「飲料」「水分の多い食品」含む多様な食品に対応した栄養測定機器
healthServer
→ 不足している栄養素をその場で提供 「飲む」サプリメントオーダーメイドサーバー
Dr.fly
→ 食品に含まれる水分の分子結合を正常な状態に戻し、本来の味に回帰するサービス
DAY BREAK
→ 特殊冷凍テクノロジーの導入支援 / 急速冷凍食品流通サービス
ベジサプリ
→ とれたて季節の野菜をオフィスで接種できる栄養管理のための野菜ジュースマシーン
< Webサービス >
Reduce GO
→ 飲食店や飲食・小売店の余剰食品を削減するプラットフォーム
マイソースファクトリー
→ 世界でたった一つのオリジナルソースを作れるサービス
DeliHub
→ デリバリー注文サイトをカンタン導入できるサービス
SIRU+
→ 買い物を通じてあなたの家族の健康を守り、食の楽しみと健康を両立できるアプリ
ShokuLab
→ レシピの栄養素をフル解析するクラウドサービス
seasons
→ 生産者とバイヤーのためのダイレクト商談・出荷取引管理プラットフォーム
スマートQC
→ 食品工場の衛生を中心とした品質管理に特化したクラウドサービス
◆ フードテックサービス ~ ② デリバリー領域 ~
八面六臂
→ 飲食店向け鮮魚受注専用サービス
魚ポチ
→ 飲食店専門の鮮魚仕入れサービス
ポケットマルシェ
→ 全国の農家さん漁師さんから直接食材を買えて、直接話せるオンラインの産直市場
羽田市場
→ 漁師直結の新鮮な魚介類を取り扱う 飲食店、小売店向けのオンラインマーケット
ココノミ
→ 美味しさにこだわったテロワール野菜を定義した日本初の提案型野菜宅配サービス
オフィスおかん
→ 企業様のオフィスに冷蔵庫を設置し、お惣菜などの食事を常備する簡単社食サービス
ごちクル
→ 宅配弁当・仕出し弁当の配達・デリバリー総合サイト
食べチョク
→ 「農家直送」 最高品質のオーガニック野菜を最短で収穫当日に届けてくれるサービス
VEGERY
→ 生鮮食品を最短一時間で届けるデリバリーサービス
toriii
→ 全国のこだわりの生産者と消費者を直接つなげ、安心で質の高い食材購入をサポートする産直宅配プラットフォーム
dデリバリー
→ ドコモの出前・フード宅配サービス
楽天デリバリー
→ これまで出前対応をしていなかったレストランなどの店舗のできたて料理をお届けするフードデリバリーサービス
くるめし弁当
→ 神奈川県の法人や団体様向けにロケやイベント、会議・セミナーなど様々な用途に適したお弁当を配達・デリバリーサービス
ぐるなびデリバリープレミアム
→ 全国の老舗&超有名店の宅配寿司サービス
すかいらーくの宅配
→ ガストにバーミヤン、ジョナサンの宅配サービス
finedine
→ 通常はデリバリー(出前、宅配)をしていないレストランの本格料理を手軽に楽しめるデリバリーサービス
bento.jp
→ 栄養士監修の福利厚生ランチサービス
◆ フードテックサービス ~ ③ ディスカバリー領域 ~
マッチング、店舗検索、料理人派遣、クーポンなど検索から来店/サービス利用を促進するサービス
kitchHike
→ 世界中の食卓で料理を提供したい人とその料理を食べたい人をマッチングさせる オンラインプラットフォーム
MogMog
→ メニュー単位でのランキング検索・閲覧ができる、メニュー特化型のグルメ検索サイト
Green Dining
→ 温かくて美味しい、みんなで食べれば思わず笑顔になれるお料理と空間を提供する料理人と利用者を繋ぐプラットフォーム
tablecross
→ 社会貢献ができるグルメアプリ-予約を通して子供に給食を寄付できるサービス
SARAH
→ メニュージャンルごとに一品単位で検索できるグルメサイト
ObentoPark
→ お弁当レシピサイト
シンクロライフ
→ 好みに合った美味しい店集めてきてくれる 賢くなるグルメアプリ
SynchroLife
→ トークンが飲食店とレビュアーをつなぐ分散型グルメプラットフォーム
お届けリストランチ
→ 出張シェフサービス
◆ フードテックサービス ~ ④ スマートアグリカルチャー領域 ~
農業技術を蓄積したIT技術を用いた、温度、湿度、養分その他のセンサーネットワークと連携して自動化する農業技術を用いたサービス
kakaxi
→ 産者(農家)と消費者の双方向コミュニケーションを可能にする直配型農業ソーシャルネットワーク
ファームノート
→ 酪農・畜産農家向け牛個体管理センサー
e-kakashi
→ 圃場(ほじょう)の環境情報などを取得し、栽培をナビゲートするサービス
SenSprout pro
→ 生産者の収益アップを支援する農業用センサーシステム
PaddyWatch
→ 水田の水位、水温、周囲の温度や湿度等のデータを計測、記録、送信するセンサー
FieldServer
→ 農業現場で必要とされる圃場の環境情報や作物の生育状況を常時モニタリングできるシステム
SAIBAIX
→ 各種センサから得られた測定値を解析し、植物の成長、光合成や蒸散の速度をリアルタイムで解析し、植物の成長を制御できるサービス
ナイルワークス
→ 搭載したカメラを通じて圃場の形状を自動認識し、完全自動飛行で農薬の空中散布を行う自動飛行型農薬散布ドローン (マルチコプター) の開発、製造、販売サービス
ROOT
→ 農業体験プラットフォームにより農場と都市生活者をオンラインでつなぎ、ドローン、定点カメラ、生産者とのチャット、専用アプリで農業の実体験を提供してくれるサービス
U-motion
→ ウシの行動モニタリングシステム
◆ フードテックサービス ~ ⑤ グローバルサービス領域 ~
< アメリカ >
Memphis Meats
→ 動物を使わないリアル食料肉
Love with Food
→ お菓子に特化したデリバリーサービス
収益の一部は貧しい子どもたちに寄付されるといった仕組みになっている。
JackedPack
→ 月に一度、提供者に合ったサプリメントを自宅にデリバリーしてくれるサービス
instacart
→ コストコなどの大型スーパーから食料品を買うことができるデリバリーサービス
一時間以内に届けてくれる速達サービスもある。
Craft Coffee
→ 定期的にプロのバリスタによって選ばれたコーヒー豆を家まで送ってくれるサービス
価格も年間 $19.99/月, 6ヶ月 $22.49/月, 月ごとの契約/$24.99とリーズナブル。
Blissmo
→ 毎月、様々なオーガニック食品やスナックが自動的に郵送されてくるサービス
値段によって、提供する量を選ぶことができ、16-30人まで対応している。
UberEATS
→ カーシェアリングサービスで有名なUberが手がけるデリバリーサービス
TurntableKitchen
→ 日替わりレシピと料理にマッチした音楽を紹介してくれるインターネットサービス
beyondmeat
→ 『分子調理法』を用いた 大豆製の骨なしチキンとビーフ・クランブルの販売サービス
< シンガポール >
deliveroo
→ 自前での出前サービスを持たない飲食店と、登録している配達員をマッチングさせ、通常の出前サービスよりも短時間で料理を届けるサービス
FoodPanda
→ フードデリバリーサービスとしては一番の老舗。アプリやウェブサイトから出前を注文できるサービス
シンガポールの500以上のレストランのメニューより選択できる。
ロシアやマレーシアなど、大きなグローバル展開をしている。
WhyQ
→ シンガポールで創業された、ホーカーセンター※の料理に特化したフードデリバリーサービス
※ホーカーセンター – 安価なローカルフードを扱う、日本で言う屋台村やフードコートのような施設
clubvivre
→ プロの料理人が必要な食材と共に指定された場所に赴き、自らその場で調理してくれるサービス
GRAIN
→ 自社の持つキッチンで作成した高クオリティーの料理を届けてくれるサービス
honestbee
→ beeと呼ばれるコンシェルジュが、食材や飲み物など、指定したスーパーマーケットや食料品専門店にある品物の買い物代行をしてくれる、オンラインショッピングサービス
Grubhub
→ どこでも食事を楽しめるレストランのようなサービス
レストラン運営をしながら、デリバリーサービスを提供することを可能にしてくれる。
Grubhubに加入した後、レストランのテイクアウト注文数量は毎年平均30%増加する。
POSなどのマーケティングデータを用いているため確実に売上が増加する。
< 中国 >
百度外卖(Baidu)
→ Baiduのお持ち帰り、テイクアウト専門の生活サービス・プラットフォーム
美团网(meituan)
→ meituanのお持ち帰り、テイクアウト専門の生活サービス・プラットフォーム
饿了么(Hungry)
→ 全国の2000の都市をカバーしており、130万人の参加レストランと2億6,000万人のユーザーを抱えているオンラインテイクアウトプラットフォーム
< イギリス >
Moley
→ 129個のセンサーと20個のモーターで構成された、まるで人間と同じような洗練された動作で調理器具を扱うロボット
◆ フードテックサービス ~ まとめ ~
余談ですが、NYでは“店舗のない”レストラン 『ゴーストレストラン』が増加中しているようです。ゴーストレストランとは、“住所不定”のキッチンで料理は作られ、それが都市全域に配達されていく仕組みのことです。レストランを開業する際にホールのスペースが不要になれば、お店の賃料を安く抑えることができ、賃料が安いエリアにキッチンを作ることも可能で、クイックに始められ、ミニマムなコストで運用できるため今後も増えそうなフードサービスです。
参考資料:NYでは“店舗のない”レストランが増加中。フードデリバリー産業の成長が後押し
これまで多くのフードテックサービスを見てきましたが、世界的に見てもデリバリーサービスが多い結果になっています。冒頭でお伝えした日本の食品ロス事情をさらに加速させそうな気がしてはなりません。さらに技術系フードテックが出てくることを期待するばかりです。