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◉ サービス名

Radar

◉ サービス内容  

YelpやUberなどの会社は、ユーザーの位置情報を使用して近いレストランを紹介したりライドシェアを手配する。このためにはスマートフォンなどのデバイスを活用し、正確な位置情報を集めるバックエンドが必要となる。しかし位置情報を使用したい会社は機能の開発及びメンテナンス(アップデートに関するトラブルシューティングや新たなバージョンのリリースなど)のためにかなりの人的資源を投じる必要があり、ゼロから位置情報機能を実装するのはとても難しい。

位置情報サービスを提供する会社はアドテク(広告テクノロジー)の会社が多く、顧客のユーザー(所謂エンド・ユーザー)の個人情報を要求し、ユーザーデータを再販したり、データ収益化を志向する会社が多い。残念ながら、ユーザープライバシーを重視した位置情報プラットフォームは非常に少ない。

RadarはどのデベロッパーでもiOS、Android、ウェブで簡単に位置情報機能を実装できるAPIを提供するSaaS会社である。デベロッパーは当APIを利用し、ジオフェンス(仮想領域機能)や場所への出入りの追跡など、位置関連の機能をわずか数行のコードで実装できる。

最も興味深い点は当プラットフォームは他のプレイヤーと異なり、プライバシー重視であること。Radarは顧客からユーザーの個人情報を要求せず、各ユーザーの固有のID番号のみを要求する。従って、Radarのシステムがハックされても個人情報は外部に漏れる恐れはない。また、ビジネスモデルはSaaSであるため、ユーザーデータの収益化を行わず、ユーザーとの利害は一致している。プライバシーに対するコミットメントはとても強く、ウエブサイトでも、個人データを売ったりシェアしたりしないことをはっきりとうたっている。
プライバシーはGDPR(EU一般データ保護規則)やFacebookのプライバシースキャンダルで脚光をあび、もっと重要になりつつある。位置情報機能の要求が強い為プライバシーを侵害しているが、ユーザーデータが他の目的で悪用されないようにバランスをとる必要がある。Radarのようなプライバシー重視の解決法はこのバランスをとるサービスをし、ユーザーの側にたった解決方法が期待される。

◉ 設立年

2016年5月

◉ 累計資金調達額

2050万ドル


<出典>From the Alley:アメリカで注目すべきスタートアップを紹介するメルマガ
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