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レビュー効率化で開発チームの生産性を高めるコードレビュー自動化サービス『SideCI(サイドシーアイ)』を運営しているSideCI株式会社代表の角さまにサービスの強みや今後の展望、社内で使われているITツールについてインタビューしてきました。

Q サービスの概要をお聞かせいただけますか?

エンジニアの開発時間のうち、少なくない時間を占めている “コードレビュー”の作業を自動化し、コードの間違いなどをレコメンドしてくれる『SideCI』という企業向けサービスを提供しています。サービスを導入するとコードレビューの時間を削減できるだけでなく、目視で確認するより網羅的なコードレビューを行うことができます。サービスは英語と日本語の2言語で提供しています。今後さらに、より多くの海外の企業で使っていただくことを目指しています。

Q サービスを導入するメリットはどういったところですか?

企業さまによって感じられるメリットは違うのですが、共通しているメリットは2つあります。1つ目は、コードレビューにかける時間が短くなる点です。2つ目は、ミスを軽減することができる点だと考えています。簡単に増やすことのできない、貴重な“エンジニアの時間”というリソースをコードレビュー以外の、実際の製品を開発することに配分できるという点が大きなメリットだと思います。

Q ご利用されているお客さまの特徴はございますか?

開発サイクルが短く、高頻度でサービスをリリースするような企業さまの利用が大半です。具体的には、スタートアップ企業やメガベンチャー、アジャイルな開発手法(※1)をとられている受託開発企業さま、オフショア開発企業さまなどで利用されています。

Q お客さまの導入事例をお聞かせいただけますか?

3社の導入企業さまをご紹介します。1社目は、自社開発をされている株式会社クラウドワークスさまです。非常に長く使っていただいており、30名の開発チームが日々新しい機能、サービスを出しているので、SideCIを開発プロセスの中に組み込んで、ある種の基準として使っていただいています。2社目は、ビジネス側に寄り添っている受託開発をされている株式会社スタートアップテクノロジーさまです。製品を高頻度でアップデートする形態をとっており、SideCIのコードレビュー自動化によって、時間の短縮が実現されているそうです。また、若手エンジニアの育成にも活用いただき、SideCIを用いることで、より効果的な育成を実現できていると聞いています。3社目は、オフショア開発の多い株式会社じげんさまです。ベトナムと日本という、物理的に離れた開発チームでのコードレビューのプロセス上でのコミュニケーション(指摘)に、SideCIをご活用いただいており、非同期のコミュニケーションにおけるロスを防ぐことができています。

Q 料金プランをお聞かせいただけますか?

昨年11月より1ユーザーあたり$12の料金に変更になりました(GitHub Marketplace(ギットハブマーケットプレイス)での販売価格)。従来は、プライベートリポジトリの個数でプランを決めていたのですが、企業さまによってSideCIの利用シーンが異なり、1つのプライベートリポジトリを複数人で使ったり、複数のプライベートリポジトリを少人数で使っていたりなど、バラつきがあったので、1ユーザー単位の料金プランに変更しました。

Q サービスを作る上で意識している競合さまはいらっしゃいますか?

厳密には競合ではありませんが、弊社が密に連携しているソースコードをホスティングする世界最大級のプラットフォームのGitHub(ギットハブ)は日々意識しています。GitHub Marketplaceに弊社も参加しています。他には、よく品質改善やデプロイ(※2)の自動化のために使われるJenkins(ジェンキンス)とはよく比較されるので意識はしています。

Q サービスができた背景をお聞かせいただけますか?

もともとはソフトウェア開発者兼起業家としてコンシューマー向けサービスを開発していました。数年運営して、何か新しいことを始めようと考えていた時に『世界がより良くなるもの』『自分が関心をずっと持てるもの』を開発したいという想いを強く抱くようになりました。『自身がエンジニアとして困っていることはないか?』と見つめ直していたところ、特にメンバーが新しくチームに加わった時など、コードレビューに時間をかなり消費していたことを思い出しました。社外のエンジニアにも質問したところ、同じ課題感を持っているようだったので、SideCIを作ることに決めました。

Q エンジニアの皆さまはコードレビューに関して課題を感じているのですか?

課題は皆さま感じているかと思います。コードレビューという開発プロセスを頻繁に行うこと自体がまだ最近広がってきたばかりで、まだコードレビューを行っていない企業さま、頻度の少ない企業さまも大勢います。多くの企業さまが時間のかかるコードレビューの作業を苦痛に感じているようです。SideCIのサービスを導入いただくと、そのような手間のかかるコードレビューの工数を削減することができ、エンジニアの開発のサポートをすることができます。

Q 今後の展望はどのようにお考えでしょうか?

大きく分けて2つあります。1つ目は、国内での認知度はNo1だと自負しているのですが、導入社数は市場で見るとまだまだなので、早急に日本国内での導入社数をできる限り増やすことを目標にしています。2つ目は、アメリカのお客さまを積極的に取りに行くことを目標にしています。

Q どのようにPR活動をやられているのですか?

今までは、ほとんどが口コミでの広がりで、時折お客さまの導入事例記事を投稿する程度で、PR活動はほぼしていませんでした。これからは、アメリカをはじめとする海外のお客さまを増やすためにブログやSNS運用、日本国外のインタビュー件数を増やし、広告も出そうと考えています。最近では、社内メンバーがカンファレンスに登壇したり、会社としてブースを出展したりしています。これまでにも、アメリカのニューオリンズで開催されたRubyConf 2017や、広島で開催されたRubyKaigi 2017(ルビーカイギ)などで社内メンバーが登壇しました。またPHPやPythonのカンファレンスでは、ブースを出展し、スポンサー活動や勉強会も開催しています。

Q 角さまが最近気になっているITサービスはございますか?

テストの自動化サービスのCircleCI(サークルシーアイ)や、パフォーマンス監視サービスのNew Relic(ニューレリック)はいつも利用しています。また国内の企業では、類似業態のNuLab(ヌーラボ)さんも意識しています。

Q 社内で活用しているITツールをお聞かせいただけますか?

マーケティングとカスタマーサポートはIntercom(インターコム)、営業とスケジュール調整はHubSpot(ハブスポット)、経理はfreee(フリー)、タスク管理にはBasecamp(ベースキャンプ)を使っています。

Q 角さまのプライベート携帯にはどのようなツールが入っていますか?

プライベート携帯には、ほぼ業務で必要なツールしか入っていません。Slack(スラック)、Intercom(インターコム)、HubSpot(ハブスポット)、Googleアプリ関連、Basecamp(ベースキャンプ)、パスワード管理をするために1Password(ワンパスワード)、名刺管理はeight(エイト)を入れています。Slack(スラック)に自社に関すること、コードレビューに関連することなどの情報が自動的に入ってくるチャンネル・仕組みを作ってあり、隙間時間にチェックしています。

Q 読者の方に一言いただけますか?

世界で使われる日本発のエンジニア向けサービスを目指しています。このサービスを世界に広げていくお手伝いをいただける企業さまがいらっしゃいましたら、ぜひご協力ください!

企業情報:https://sideci.com/ja

※1:アジャイルな開発-迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法群の総称
※2:デプロイ-開発したソフトウェアを利用できるように実際の運用環境に展開すること

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