2年前にインタビューさせていただいたモバイルアプリの成長支援サービス『Repro』。 2年前と比較し進化した機能や今後の野望についてRepro株式会社マーケティングチームマネージャー伊藤様にインタビューしてきました。
目次
Q 2年前はありがとうございました。2年前のインタビューから進化・強化・成長されたことを教えてください。
『Repro』というツールとしての成長と事業としての成長があると思います。ツールに関しては大きく変化したというより洗練されたイメージです。そもそも2年前から大きく3つの打ち出した方をしていました。1つ目はグーグルアナリティクスのようなデータを見て分析する定量分析です。2つ目はアプリの実際の動画を見て分析する定性分析です。3つ目はデータをもとにマーケティング施策を行う機能です。例えば、ターケティングしているユーザーに対してポップアップを送ることができます。この3つの機能に関しては大きく変わっておらず、より機能が洗練されました。これまでだとなかなかポップアップのカスタマイズなどが出来なかったのですが、今は色、ボタン、フォント、何でも変えられるようになったので、アプリのユーザー体験に沿うようなマーケティング活動が『Repro』でより実現できるようになりました。
Q 2年前は課金ポイントが明確な企業様からのご相談が多かったとのお話でしたが、変化はありましたか?
そうですね。前述のアプリ内ポップアップのデザインがカスタマイズできるようになり、ゲームのような世界観が重視されるアプリでもよりご利用しやすくなりました。また、約1年前にユーザー獲得を支援する機能も追加されたため、ユーザー獲得に課題を持つアプリ事業者様のご利用も増えてきました。
Q ユーザー獲得の機能について教えてください。
はい。アプリの端末には広告ID(IDFA・AAID)(※)があります。WEBでいうクッキーのようなものです。その広告IDを『Repro』から抽出できるようになっています。例えば、アプリを7日後も継続利用しているユーザーだけの広告IDを抽出することができます。何ができるかというと、今まではターゲティング広告というと「20代女性で東京住み」といったデモグラフィックデータを活用した広告配信が主流だったかと思いますが、『Repro』を使うと、例えば、休眠ユーザーだけの広告IDを抽出して、もう一度アプリを使ってもらうようにリターゲティングすることができます。このユーザー獲得の機能ができたのは大きな強化ポイントかなと思います。
※IDFA:Appleの提供するiOS端末の広告識別子
※AAID:Android端末の広告識別子
Q 例えば『Repro』を導入されているマッチングアプリだと、アプリ内で課金したことがあるユーザーの広告IDだけを抽出でき、そのユーザーにだけ広告配信できるということですね?
そうですね。例えばFacebookの広告は配信前に対象を決めますよね。その配信対象を設定する際に、広告IDを使うことができます。要は、『Repro』を使えばよりROIの高い広告運用をするためのタネを抽出できます。
Q ありがとうございます。他に進化・強化・成長されたことはございますか?
そうですね。代表の平田がもともとコンサル出身なので、アプリを開発する前の企画・戦略策定から支援させていただく案件もあります。これからアプリを開発したいけれども、何から始めたらいいか分からないというような企業様の戦略企画を支援しています。また、弊社にアプリ開発のエンジニアはいないのですが、国内でアプリ開発の実績が豊富な開発会社様とアライアンスを結んでおりますので、そういう会社様と一緒にアプリを開発することもあります。あと、今伸びている領域でいうと運用支援ですね。ノウハウやリソースのないクライアント様に対して、プッシュ通知やASO(アプリストアの最適化)の運用支援をしています。アプリの川上から川下まで支援できる・するようになったのが、2年前と大きく違う点ですかね。
Q ありがとうございます。組織としての成長はいかがでしょうか。
そうですね。2年前に比べると人数も5、6倍に増えました。2017年度以降はプロダクトが成熟してきて売るフェーズになりましたので、当時(2016年)私しかいなかったマーケティングチームも今は社員だけでも5人くらいいますね。
モバイルアプリの成長支援ツールのRepro、博報堂アイ・スタジオと提携 Repro株式会社、AI(人工知能)を用いたプッシュ通知最適化ソリューションを電通デジタルと共同で提供開始 ※Repro様WEBサイトより
Q 外部との連携も多いですよね?今後もどんどん増やしていく予定でしょうか?
そうですね。増やしていきます。外部との連携周りは、ビジネスディベロップメントチームが担当していて、大きい連携でいうと、1年ほど前にトレジャーデータ様とも連携しました。他にもDMPやアトリビューションツール、BIツールなどとも連携を予定しております。弊社は今後アプリマーケティングだけでなく、デジタルマーケティング全般を支援する企業になるので、外部ツールとの連携は増やしていきます。
Q デジタルマーケティング全般を支援する企業として今後新たに仕掛けようとされていることはございますか?
そうですね、具体的には、この夏から秋にかけてWEB対応をし、アプリだけではなくWEBでもone to oneのコミュニケーションを取れるようにしていきます。様々なクライアント様のアプリを支援することで得た知見をWEBにも活かせればと思っています。
Q ついにWEB版が出るのですね!実証実験も始められているのですか?
クローズドなのですが、許可をいただいているクライアント様に対してはWEB版を実装いただいております。
Q WEB版だと競合も多いのではないでしょうか。
WEB接客ツールなどが競合になってきますが、弊社はカスタマーサクセスが強いので勝機はあるかなと思っています。やっぱりツールは導入されただけでは絶対にダメなので、弊社の場合1アプリにつきCS担当者が1人ついて、どういう風にこのアプリのゴールに向けてイベントを設計するかや、マーケティング施策の成功事例などを共有してサポートしています。今BtoB界隈ではカスタマーサクセスが流行り言葉で求人も増えていますが、そこを牽引するくらいのノウハウを持っていますし、ツールだけを売っている企業には負けない強みなのかなと思います。
Q ありがとうございます。今後、機能の自動化も進めるというお話もありましたがそのあたりはいかがでしょうか?
Repro株式会社、AI(人工知能)を用いたプッシュ通知最適化ソリューションを電通デジタルと共同で提供開始 ※Repro様WEBサイトより
そうですね。『Repro』に人工知能を利用する取り組みは強化していきます。電通様とのAICOの取り組みもその一貫ですし、集英社様と弊社の研究開発チームが共同で行なっている実証実験も機械学習における取り組みの一つです。今後もプッシュ通知、アプリ内メッセージの配信最適化やユーザーのチャーン予測などに取り組んでいきます。
【Repro AI Labs設立を発表】 Reproがかねてより取り組んでいる、AI・機械学習の研究開発。このたび、本チームを「Repro AI Labs」と命名し、発表しました! 年内にはAI・機械学習を活用した機能をリリースする予定です。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000013569.html 【Repro×AI続編 】 一昨日発表した、Reproの研究開発チーム「Repro AI Labs」。 集英社の少年ジャンプ+でレコメンドプッシュ通知機能の実証実験を開始したことを発表しました!! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000013569.html ※Repro様Facebookより
Q 最後に読者に向けて一言お願いします。
弊社は今後、アプリのみならずデジタルマーケティング全般の企業になっていきます。今の時代、僕らみたいな領域の企業でなくても、SaaSのツールベンダーはツールのクオリティー、カスタマーサクセスのクオリティーが重要になっていくと考えています。『Repro』はどんなアプリ・どんなWEBサービスだろうと伸ばせるプロフェッショナルが間違いなく一番集まっているので、自社サービスを成長させたい企業様がいらっしゃればお問い合わせください。