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米国では毎年数百万人の新生児が誕生する中、母乳育児を希望する家庭の多くが「母乳不足」という壁に直面しています。医療的な理由や出産後の体調不良、社会的・経済的な要因などによって、母乳の供給が需要に追いつかないケースが後を絶ちません。このギャップに目を向け、独自の技術とネットワークで解決策を提供しているのが、カリフォルニア州に拠点を置くスタートアップ企業 BBy(ビー・バイ) です。

1.企業概要

BByは、母乳が必要な家庭と、余剰母乳を提供できる母親たちをマッチングするプラットフォームを運営しています。同社のビジネスモデルは「母乳のオンデマンド・マーケットプレイス」とも呼べる形態をとっており、医療グレードで安全に管理された母乳の供給体制を構築しています。

創業者のJared Auclair氏は、バイオテックと医療サプライチェーン分野での経験を活かし、母乳不足の課題に対する「サステナブルかつ即時性の高い」解決策を模索。単なるC2Cプラットフォームではなく、医療機関と連携した厳格な品質管理プロトコルを設けている点が、従来の母乳バンクとの最大の差別化要因です。

2.社会的意義と課題解決のインパクト

BByが解決しようとしているのは単なる栄養供給の問題ではなく、新生児の命と健康に直結する社会課題です。特に早産児やNICUに入院する新生児にとって、母乳は重要な免疫・栄養源であり、母乳が確保できるか否かは生存率や発達に大きな影響を与えます。

また、BByのサービスは低所得層へのアクセスも重視しており、一部の病院では保険適用や助成金を通じて無償提供を実現。ヘルスエクイティ(健康の公平性)の観点からも、社会的評価が高まっています。

3. 今後の成長ポテンシャル

BByの市場機会は決して小さくありません。米国では年間約370万人が出生し、そのうち母乳育児を希望する家庭は9割を超えています。しかし、CDC(米国疾病予防管理センター)の調査によれば、生後6か月まで母乳育児を続けられる家庭は半数以下。BByがそのギャップを埋めるソリューションとして浸透すれば、数十億ドル規模の市場開拓が見込まれます。
加えて、同社は今後、医療機関との提携拡大、保険会社とのネットワーク強化、さらには海外展開も視野に入れているとされています。

4.BByは「乳児ケアのインフラ」になれるか?

BByは、これまで見過ごされがちだった「母乳不足」という問題に対し、テクノロジーとロジスティクスを融合した革新的なソリューションで挑んでいます。同社の成長は単なるビジネス成功にとどまらず、公共の健康を支えるインフラとしての役割を担う可能性すら秘めています。

参考:https://bbyworld.com/
   https://www.ycombinator.com/companies/bby
   https://www.crunchbase.com/organization/bby

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