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【NTTドコモとJapanTaxiの資本業務提携について】

▼記事
https://jp.techcrunch.com/2018/07/30/japantaxi-ntt-docomo/

▼内容
・日本交通のグループ会社で、タクシー配車アプリの「全国タクシー」などを提供するJapanTaxiがNTTドコモとの資本業務提携を締結
・全国タクシーのダウンロード数は現時点で500万件で、車両登録数は日本全体のタクシー車両の4分の1にあたる6万台以上とのこと
・JapanTaxiはこの全国タクシーのほかにも、QRコードによる決済機能がついたデジタルサイネージ「Tokyo Prime」を展開しており、今回の資本業務提携により、NTTドコモの「d払い」など新しい決算手段が追加される予定。
・共同で、数時間後にある特定のエリアにいる人の数を予測する「近未来人数予測」などのNTTドコモの技術と、JapanTaxiが展開する配車プラットフォーム、広告プラットフォームを組み合わせた新サービスの開発を行うという

▼Tokyo Primeとは?
JapanTaxiとフリークアウト・ホールディングスの合弁会社として2016年に設立されたIRISが展開する、タクシー搭載のデジタルサイネージ。都心でタクシーを利用する高所得者層をターゲットにした「プレミアム動画広告」をスタート。2020年末までに合計5万台のネットワークを目指しているとのこと。同社の端末を導入すると全国タクシーアプリ内の「JapanTaxi Wallet」機能だけでなく、スマホ決済サービス「Origami Pay」や「Alipay」からQRコードを用いてスムーズに代金を支払える決済機能がついていることも注目も一つである。

▼考察
今回の資本提携で対立の構造が明確になった。Uberやgrab、DiDiなどと連携し、タクシー業界を変革しようとしているソフトバンクと、国内のタクシー会社と連携し、タクシー業界を再定義しようとしているNTTグループ。先日、ソフトバンクはDiDiと合弁会社を設立し、タクシーの配車プラットフォームに力を入れることを発表。日本における外国人旅行者は年々増加しており、中国からの旅行者がこの大部分を占めている中、今回の合弁会社「DiDiモビリティジャパン」は、主に中国などで合計5.5億人が登録するDiDiの乗客用アプリケーションを、日本で提供するプラットフォームと連携させる。日本でもそのまま利用できるようにすることを狙っているとのことで、NTTグループが狙っているターゲットも少しずれている気はする。他にも、ディー・エヌ・エー(DeNA)と神奈川県タクシー協会が「タクベル」を提供している他、ソニーと都内のタクシー会社7社が新会社「みんなのタクシー」を設立するなど配車アプリは競争の激化が進んでいる。NTT側は今回の資本提携にて、「d払い」が使えるようになるなど、国内ユーザーをメインで狙っているのがわかるが、d払いなどのキャリア決済を使うユーザーがどれだけいるのかは懐疑的である。また今回の提携により、広告プラットフォームの最適化も行われそうであるが、広告によってもたらされた利益はユーザーではなく、タクシー事業者側に還元され、ユーザーに対してのメリットはあまり出ないように見える。すでに500万のダウンロード数のあるアプリとタクシー事業者への発言力を武器にどこまで優位性を保ちながら戦っていけるのだろうか。「nommac」のようなユーザーが無料でタクシーに乗れるようなサービスも出てくる中、諸外国と比べてもタクシー料金の高い日本がどう変わっていくのかは楽しみである。

 

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