News分析 / Google アシスタントによる電話予約サービス「Duplex」について

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【Google アシスタントによる電話予約サービス「Duplex（デュプレックス）」について】

▼記事
https://news.biglobe.ne.jp/it/0629/giz_180629_9672698501.html
https://wired.jp/2018/05/13/google-duplex-phone-calls-ai-future/

▼記事内容
・Goolge アシスタントが、レストランやホテルなどの電話予約をしてくれる新サービスのテスト運用が今夏アメリカで開始
・米国内のみでのサービス展開で、Duplexを使って電話予約できる端末は5000万台から1億万台
・ネット予約サービスOpenTable（ユーザーがリクエストした空き時間をチェックして予約するシステム）を介せば、DuplexなしでもGoogle アシスタントでレストランの予約をすることが可能
・Google曰く、個人経営のお店など、中小企業は60％がOpenTableを利用していない
・データが増え、シェアされることで、Google アシスタントが対応できるシチュエーションも増え、人間オペレーターに繋がる回数も減る可能性がある

▼Duplex（デュプレックス）とは？
（The Google Assistant can help you get things done over the phoneより参照）

DuplexはGoogle Assistantが人間に変わってお店に予約電話してくれるサービス。Googleアシスタントが操作するボットで、バックエンドのシステムを通じて動作する。「こんにちは、予約をお願いします。私はGoogleの自動予約サービスです、この会話を録音します」とGoogle アシスタントが述べ店側と会話がスタートする。予約が完了するとユーザーにGoogle アシスタントから予約完了通知が送られる。会話を録音することで、今後、他ユーザーに適した情報を提供するのにとても有益。
たとえば、あるユーザーがDuplexで年末年始の営業時間を尋ねたとする。ここで得た情報が録音から共有されることで、他ユーザーが同じ店に年末年始の予約をいれようとした際、電話する前にGoogle アシスタントは「その日は休みです」と答えることが可能。
※店側が録音を拒否すると、後ほど掛け直す旨を伝え、Googleの人間テレオペスタッフに予約を引きつぐことになっている

▼分析

AIによる飲食店などの電話予約サービス「Duplex」。Googleはまた世界を便利にするサービスを出した。記事の中には、「会話がスムーズすぎて怖い、デジタルアシスタントと相手が気づかない」という言葉もあるように、会話の精度の高さが強みの一つだろう。相当データを蓄積していないといけないので、日本ですぐに同じようなサービスが出るとは考えにくい。ただ、まだまだ電話予約の多い日本にもいずれDuplexは参入するだろう。日本の飲食店向けにサービスを提供している企業はどう連携、対抗するか見どころだ。

ただ、日本でも近しいサービスがある。チャットによる飲食店予約代行アプリの「ペコッター」だ。「ペコッター」を運営するブライトテーブルは、2015年3月から2018年2月まで飲食店探しをサポートするグルメQ&Aサービスを提供していたが、予約機能にフォーカスする形へと切り替えた。背景には、「ペコッターでお店の予約ができる」ことを知らないユーザーへの認知度向上とオンライン予約ニーズの高まりの2つの要因が考えられる。筆者の推測だが、現在ペコッターは飲食店側へは人力での電話予約、ユーザーには人力によるチャットコミュニケーションを取っている。tech crunchの記事によると、ペコッターは今後、予約管理台帳との連携や音声による予約の自動化など、店舗予約のオートメーション化を進める予定。加えてサービス内に蓄積される予約履歴のデータを活用したAIエンジン「Zeus」の精度向上を図り、ユーザーに合ったお店をレコメンドできるグルメ予約代行サービスを目指している。

これらの背景から、Duplexの予約代行サービスも一番の狙いは、ユーザーに合ったお店をレコメンドする精度を高めることだろう。その前段階としてアメリカでは個人経営のお店など、中小企業は60％がOpenTable（ネット予約サービス）を利用していないという点も参入の動機だと考えられる。Duplexはネット予約できない店舗（＝電話でないと予約できない店舗）への予約代行から取れなかったデータも蓄積し、ユーザーに合ったお店をレコメンドする精度を高める。近い将来、Androidスマホ、GoogleスピーカーでGoogleアシスタント（AI）と会話しながら飲食店を探し、予約までしてもらうという日が訪れる。スマホ画面を見るという常識から少しずつ時代が移り変わろうとしている。