◉ サービス名 Form Energy ◉ サービス内容 マサチューセッツ工科大学(MIT)の開発チームが創業したForm Energyはリチウムの代わりに硫黄水溶液をベースにした新しいタイプのフロー電池を開発したエネルギー貯蔵スタートアップである。 再生可能なエネルギーの発電は気象などにより発電量にばらつきが発生するため、低コスト、且つ高い拡張性を持つエネルギー貯蔵システムの必要性が高まっている。現在リチウムイオン電池を使用するエネルギー貯蔵システムが多く存在するが、リチウムイオン電池の原料であるリチウムの価額が高い上、当資源は長時間の安定供給を実現しにくい。 一方、硫黄は石油精製の副産物でもあり、資源は豊富である。当資源をコアの材料とし、同社は「呼吸型電池」を開発した。充放電にともなう正極側での酸素の出入りを利用し、大容量のエネルギー貯蔵が可能となる。尚、この電池の生産コストはリチウムイオン電池の1/30程度に抑えられ、低コストである。(詳しくはこちら) 同社のビジョンも興味深い。それは、再生可能エネルギーを発電し、必要に応じて供給する双方向性の発電所を建設することである。この発電所建設により、新たなエネルギー資源が生まれることになる。現在、小規模のプロトタイプが開発されているが、低コストで本格的な発電所を建設できるかは現在のところまだ不明である。将来このような発電所が建設されたとしても、建設後の電力市場の動態にもよるが、どのようなビジネスモデルが適切かは不明である。 同社は最近シリーズBをThe Engine(MITのテックファンド)、Breakthrough Energy Ventures(Bill Gatesが組成したクリーンテックファンド)、Saudi Aramco等から調達した。様々なエネルギー貯蔵スタートアップが存在する中、有名投資家から投資を受けているForm Energyは注目すべきである。 ◉ 設立年 2017年 ◉ 累計資金調達額 4900万ドル <出典>From the Alley:アメリカで注目すべきスタートアップを紹介するメルマガ
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