フィリピン発のHRテックスタートアップ「ALLCARE」は、フリーランスやギグワーカー、中小企業(SME)従業員など、従来の雇用形態にとらわれない働き手に向けて、包括的な福利厚生サービスを提供しています。2018年に設立されたALLCAREは、STORM Technologiesのスピンオフとして誕生しました。
目次
1.デジタルプラットフォームによる柔軟な福利厚生提供
ALLCAREの最大の強みは、デジタルプラットフォームを活用した柔軟な福利厚生の提供にあります。従来、大企業の正社員向けに提供されていた高額な福利厚生パッケージに対し、ALLCAREは必要最低限のカバレッジを低価格で提供することで、フリーランスやギグワーカーにも手の届くサービスを実現しています。例えば、月額約1,250フィリピンペソ(約3,000円)で、総額20万ペソ相当の医療・保険・メンタルヘルス支援などの特典を利用可能です。
また、ALLCAREはアグリゲーターとして、複数の保険会社や医療機関と提携し、ユーザーのニーズに合わせた最適なプランを提供しています。これにより、ユーザーは自分に合った福利厚生を選択でき、無駄のないサービス利用が可能となっています。

2.国内外でのパートナーシップと受賞歴
ALLCAREは、設立以来、急速な成長を遂げています。2020年には、Asia CEO Awardsで「SME Company of the Year」を受賞し、同年のクライアント数は前年比で10倍に増加しました。
また、ALLCAREは国内外の企業と積極的にパートナーシップを結んでいます。2021年には、配達サービスのLalamoveと提携し、パートナードライバーに対して24時間対応のテレヘルスサービスやメンタルヘルスカウンセリングなどの福利厚生を提供しました。 さらに、2022年には、ライブストリーミングプラットフォームのKumuと連携し、コンテンツクリエイター向けの健康保険やメンタルヘルス支援を開始しました。
資金調達面では、500 StartupsやConcepcion Carrier Industriesなどの著名な投資家からの支援を受けており、これによりサービスの拡充や技術開発が進められています。
3.東南アジア市場への展開とサービスの多様化
ALLCAREは、フィリピン国内でのサービス拡大に加え、東南アジア市場への進出を視野に入れています。CEOのCindy Burdette氏は、「フリーランスやギグワーカーの増加は世界的なトレンドであり、ALLCAREのようなサービスの需要は今後さらに高まる」と述べています。
また、ALLCAREはデータドリブンなアプローチを採用しており、ユーザーの利用履歴やニーズに基づいて、よりパーソナライズされた福利厚生プランの提供を目指しています。将来的には、ユーザー自身が必要なサービスを選択・カスタマイズできるプラットフォームの構築を計画しています。
4.新たな雇用形態に対応する革新的なHRテックソリューション
ALLCAREは、従来の雇用形態にとらわれない働き方が広がる中で、フリーランスやギグワーカー、中小企業従業員に対して、手頃で柔軟な福利厚生サービスを提供することで、新たな市場を開拓しています。そのデジタルプラットフォームとアグリゲーターとしての機能は、今後のHRテック業界におけるモデルケースとなる可能性を秘めています。
参考:https://www.cornermagazineph.com/2021/06/06/allcare-and-lalamove-ph-forge-partnership-to-provide-holistic-health-benefits-for-partner-drivers/?utm_source=chatgpt.com
https://theindependentinvestor.ph/allcare-stays-relentless-in-its-mission-to-provide-quality-healthcare-for-the-alternative-employment-market/
https://www.clickthecity.com/tv/article/122846/allcare-teams-up-with-kumu-to-provide-holistic-health-benefits-for-pinoy-content-creators/?utm_source=chatgpt.com
毎週水曜日、5社の注目スタートアップが登壇するピッチイベント!
earthkey pitchのご案内

イベント概要
earthkeyが主催するオープンイノベーションイベントです。
業界業種にこだわらず、毎週5社の新進気鋭のシード・アーリーステージのスタートアップ企業が、事業会社との共創や投資家との出会いを目的に登壇します。業界を越えた業務提携や資本提携など毎回数々のマッチングが生まれる場です。事業会社の方は参加いただくことで、自社の新規事業の推進や自社課題(ワークフローのデジタル化など)の解決、クライアントへの付加価値提案などのアイデアを得ることができます。当イベントは、業界業種に縛られないセレンディピティ(偶然の出会い)の場を大切にしています。
視聴をご希望の方は下記リンクよりお申し込みください。