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インド・ムンバイ。急速な経済成長を遂げるこの巨大都市に、日本企業、特にスタートアップが安心してビジネスを展開できる「聖域」が生まれようとしている。 住友不動産は2025年12月、インド・ムンバイで進める総額1兆円規模の都市開発プロジェクトにおいて、建設中のオフィスビル内に日本企業専用エリア「ジャパン・フロア(仮称)」を設置する方針を明らかにした。 これまでハードルが高かったインド進出を、「東京品質のオフィス」というインフラ面から劇的に変えようとする、日本の不動産デベロッパーの巨額な投資をまとめる。

1. なぜ今、ムンバイに「ジャパン・フロア」なのか

人口世界一、GDP成長率も主要国トップクラスのインド。多くの日本企業が進出を狙うが、そこには「インフラと商習慣の壁」が立ちはだかってきた。 「オフィスを借りたら内装がコンクリート打ちっぱなし(スケルトン)だった」「頻繁な停電でサーバーが落ちる」「契約手続きが複雑すぎて進まない」。これらはインド進出企業の “あるある” だ。 特に資金や人材に限りのあるスタートアップにとって、こうした総務・ファシリティ面の負担は致命的になりかねない。

そこで住友不動産が打ち出したのが、ムンバイのバンドラ・クルラ・コンプレックス(BKC)地区に建設するビル内への「ジャパン・フロア」設置だ。 ここでは、内装完備、非常用電源による無停電環境、日本式のセキュリティなど、**「ドアを開ければ、そこは東京のオフィス」**という環境が提供される。まさに日本企業のための「出島」を作る構想だ。

2. GoogleやMetaと隣り合う「一等地」の価値

このプロジェクトの凄みは、単に「綺麗なビル」というだけではない。その「立地」にある。 開発が進むBKC地区は、インドの旧来の中心地とは異なり、区画整理された近代的なビジネス街だ。周辺にはGoogleやMeta(Facebook)、各国の金融機関が拠点を構えており、インドのビジネスエコシステムの中心地と言える。

住友不動産はここに、東京ドーム数個分に相当する土地を確保。総事業費は累計で1兆円規模を見込む。 2026年秋の稼働を目指す第1号物件を皮切りに、単なる「場所貸し」ではなく、現地の有力企業や投資家と日本企業が交わる「ハブ」を作る狙いがある。

3. 「1兆円」が意味する、国家レベルの戦略

一民間企業のプロジェクトとしては異例の「1兆円」という規模。これは、住友不動産にとっての社運をかけた新規事業であると同時に、日印両政府が掲げる経済協力の象徴的な意味合いも帯びてくる。 JETRO(日本貿易振興機構)や日本の金融機関とも連携し、ハード(建物)とソフト(進出支援)の両面から日本企業をバックアップする「オールジャパン」の体制が整いつつある。

結論:インド進出のフェーズが変わる

「インドは魅力的だが、リスクが高い」、これまでそう躊躇していた日本のスタートアップや中小企業にとって、このプロジェクトは進出のハードルを大きく下げるゲームチェンジャーになる可能性がある。 2026年、ムンバイの空にそびえる日本のビルは、停滞する日本経済と躍動するインド経済を繋ぐ、太く強固なパイプラインとなるだろうか。


毎週水曜日、5社の注目スタートアップが登壇する
ピッチイベント!earthkey pitchのご案内

イベント概要

earthkeyが主催するオープンイノベーションイベントです。
業界業種にこだわらず、毎週5社の新進気鋭のシード・アーリーステージのスタートアップ企業が、事業会社との共創や投資家との出会いを目的に登壇します。業界を越えた業務提携や資本提携など毎回数々のマッチングが生まれる場です。事業会社の方は参加いただくことで、自社の新規事業の推進や自社課題(ワークフローのデジタル化など)の解決、クライアントへの付加価値提案などのアイデアを得ることができます。当イベントは、業界業種に縛られないセレンディピティ(偶然の出会い)の場を大切にしています。

相性の良い参加者像

・事業会社(新規、既存事業推進者・経営企画室)
・ベンチャーキャピタル
・コーポレートベンチャーキャピタル
・メディア関係会社

*過去参加企業(敬称略)
伊藤忠商事、三井物産、NEC、三井住友FG、みずほ銀行、凸版印刷、電通、JCB、フジテレビジョン、
​三井住友海上、京セラ、楽天、日清紡HD、東芝、ALSOK 、GMOTECH、
京浜急行電鉄、東京建物、富士通、DNP、参天製薬、等

タイムスケジュール

15:45- zoomLIVE配信開始
15:50- イベント運営紹介、ピッチ概要説明
16:00- 1社目
16:11- 2社目
16:22- 3社目
16:33- 4社目
16:44- 5社目
16:55- クロージング
17:00- 終了

参加(視聴)費用

・無料

イベントについての注意事項

※登壇企業さま・弊社との事業が競合する企業さま、
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※参加者の企業名・部門名のみ、プレゼンテーションの質向上のため登壇企業さまへ共有することがございます
※本イベントはZoom(ウェビナー)を活用したフルオンラインのLIVE配信となります為、当日配信品質の問題が発生する可能性がございます。何卒ご了承くださいませ

視聴をご希望の方は下記リンクよりお申し込みください。

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