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中南米、とりわけメキシコでは、貨物運送が依然として非効率で透明性に欠ける産業です。
企業は適切な輸送業者の選定に手間や時間を費やし、ドライバーは仕事とルートの安定供給の機会に恵まれない。
こうした需給ミスマッチが、コスト増、納期トラブル、信頼性低下を引き起こしています。

ソーシャルグラフの概念を持ち込んだのが、米国発スタートアップ Yellowdig(イエローディグ)です。

1.YetCargoとは?革新的プラットフォームで需給を“見える化”

  • 設立:2015年(500 Startups LatAmによる資金調達は2016年)
  • 本拠地:メキシコシティ
  • 従業員数:約10~50名(LinkedInより)
  • 事業内容:ウェブ/モバイルアプリを介して、貨物保有企業と中小運送会社(ドライバー)をリアルタイム接続するマッチングプラットフォーム

企業側は即時に最適な車両を選べ、ドライバーは仕事の選択自由と報酬の透明性を享受。
500以上の輸送ユニットがプラットフォーム経由で稼働し、利益率と稼働率の向上に貢献しています。

2.課題をどう解決しているのか?

YetCargoは、貨物を送りたい企業とドライバーをリアルタイムでつなぐマッチングプラットフォームを提供することで、メキシコ物流業界の非効率さや不透明さを解消しています。

企業はアプリ上で近くの空車を即時検索・手配でき、ドライバーは報酬や条件が明示された案件の中から自由に仕事を選択可能。これにより、ミスマッチの解消と双方の満足度向上を実現しています。

また、運行中のサポート体制やGPS連携により、安全性と信頼性も確保。蓄積された運行データを活用し、今後は機械学習による最適化にも取り組む方針です。

3. 今後の成長可能性と注目ポイント

YetCargoの成長には複数の追い風があります。
まず、ラストマイルから中距離輸送までの統合が進む中南米市場では、透明性・即時性を求める企業ニーズが強まっています。YetCargoはそれに応えるプラットフォームとして、大手企業はもちろん中堅中小企業にも採用余地があります。次に、地域拡大と業種展開です。既にメキシコシティ、トルーカ、ケレタロで事業を展開中であり、グアダラハラやモンテレイなどへの進出も計画されています。他にも、自動車、玩具、医薬品、食品など幅広い業界にサービスを横展開しており、多様なニーズに柔軟対応しています。

3技術とマッチングで物流の“闇”を照らす

YetCargoは、安定性・透明性・効率性に欠けがちな中南米物流業界において、リアルタイムマッチングと安全性、データ活用まで含む包括型ソリューションを提供することで、業界の改革を行います。
物流の“ブラックボックス化”を解消し、関係者全体の利益最大化を目指すプラットフォームとして、メキシコ国内はもちろん、類似リージョンへの展開も視野に入る注目スタートアップです。

参考:https://www.yetcargo.com
   https://500.co/portfolio?industry=all&region=all&stage=Seed&country=all&bModel=all&batch=all&&page=82&sort=alphabetically#companies-table

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