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日本の漫画は世界中で人気を博していますが、海外読者にとっては「公式翻訳の提供が遅い」「アクセス方法が複雑」「読み放題の仕組みがない」といった課題が長年存在していました。特に英語圏では、海賊版サイトやスキャンレーション(非公式翻訳)の横行によって、漫画業界の収益機会が奪われるという構造的な問題も深刻化していました。

こうした背景のもと、読者・出版社・翻訳者の三者にとって公平で便利な仕組みが求められていました。

1.Azukiの定額制デジタル漫画サービス

この課題に対し、サンフランシスコに拠点を置くスタートアップ「Azuki」は、月額課金型のマンガ購読プラットフォームを開発しました。Azukiは、日本の出版社と正式ライセンス契約を結び、数百タイトル以上のマンガ作品を、スマートフォンやWebブラウザで英語で楽しめる環境を提供しています。

  • 月額4.99ドルで、広告なしの全巻アクセスが可能
  • 無料プランでは広告付きで一部章を閲覧可能
  • KodanshaやFutabasha、KADOKAWA、スクウェア・エニックス、J-Novel Clubなど幅広い出版社と提携
  • 読まれた分だけ収益を出版社に分配するフェアな仕組み

翻訳やローカライズの品質も高く、Crunchyroll出身者を含むプロフェッショナルチームがコンテンツ体験を最適化しています。

2.漫画の“読む権利”をより広く、より自由に

Azukiはすでに世界100万人以上の読者を獲得しており、今後は以下のような展望を描いています:

  • 日本の作品だけでなく、アジア圏や欧米のオリジナルマンガ作品との連携強化
  • 多言語対応・地域展開(特にフランス語圏や東南アジアへの拡張)
  • 単品購入・貸本形式など、多様な価格モデルの導入
  • クリエイターと直接つながる機能や、読者コミュニティの形成によるエンゲージメント強化

また、AI翻訳や読書体験のパーソナライズといった技術的な取り組みも進行中で、今後の進化が期待されます。

3. Azukiが開く、新しい「マンガの国境」

Azukiは、「漫画を正しく・手軽に楽しめる世界を創る」というシンプルで力強いビジョンのもと、デジタル時代における漫画流通の新たなスタンダードを築こうとしています。単なる配信サービスではなく、作り手と読み手をつなぐ“文化の架け橋”として、Azukiの挑戦は続きます。

参考:https://www.azuki.co/
   https://www.ycombinator.com/companies/azuki?utm_source=chatgpt.com
   https://www.azuki.co/news/2022/03/10/azuki-has-raised-500k-from-y-combinator?utm_source=chatgpt.com
   

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