近年、フィンテック業界は目覚ましい進化を遂げており、スタートアップを中心とした多くの企業が、消費者や企業に対して革新的な金融サービスを提供しようとしています。しかし、金融業界は高い規制遵守が求められる領域であり、銀行ライセンスの取得やコンプライアンス対応には膨大なコストと時間がかかります。これにより、新興企業が市場に迅速にサービスを提供することが難しく、革新的なアイデアの実現が阻まれているのが実情です。
一方、消費者や企業の最終ユーザーもまた、より利便性が高く、安全でスピーディな金融サービスを求めていますが、従来の銀行のシステムやユーザー体験ではこうしたニーズに十分に応えられていません。

・企業概要
企 業 拠 点 :NY,米国
設 立 年 月 日:2021年7月
資金調達総額:9億80万ドル
fund Stage :レイター
主 要 投 資 家:Andreessen Horowitz, Ribbit Capital, T. Rowe Price, Battery Ventures, LionTree
従 業 員 数 :501-1000名
・サービス概要
Cross Riverは、こうしたフィンテック業界が直面する二重の課題に対し、「銀行業務としてのサービス(Banking-as-a-Service: BaaS)」を中核に据えた技術プラットフォームを通じて、革新的な解決策を提示しています。
2008年の設立以来、Cross Riverは自社が保有する銀行ライセンスと、APIを活用した柔軟なテクノロジーインフラを組み合わせることで、次のようなサービスを展開しています。
1. 銀行APIプラットフォーム機能
フィンテック企業に対して、口座開設・融資・決済・送金といった銀行機能をAPIで提供。これにより、企業は独自のサービスに迅速に銀行機能を組み込み、短期間でのサービスローンチが可能になります。
2. コンプライアンス管理機能
Cross Riverが一元的に規制対応を担うため、パートナー企業は複雑な金融規制への対応から解放され、本業に集中できます。高度なリスク管理とAML(マネーロンダリング対策)機能も備えています。
3. 決済処理機能
ACH(自動口座引き落とし)やワイヤー送金、カード決済、国際送金まで対応したリアルタイム決済インフラを提供。フィンテック企業のサービスにスピードと信頼性を加えます。
4. 融資プラットフォーム機能
AIを活用したリスク評価モデルに基づき、フィンテック企業が少額融資から中規模事業者向け融資まで柔軟に対応できるプラットフォームを構築。銀行が対応しにくい領域でも、精緻な与信判断が可能です。
5. デジタルバンキング機能
ウェブやモバイルアプリ上で、カスタマイズ可能なホワイトラベル型の口座管理・送金機能を提供。エンドユーザーにとっては、使いやすくセキュアなバンキング体験が得られます。
まとめ
Cross Riverは、銀行としての堅実さとテクノロジー企業としての俊敏性を兼ね備え、従来の金融の在り方を根底から変えつつあります。規制対応済みの銀行機能をAPI経由で提供し、企業とユーザーの双方に価値を届けるそのモデルは、世界中のフィンテック企業にとって強力な「成長の土壌」となっています。
参考:https://www.crossriver.com/
https://relic.co.jp/ideation-cloud/57319/
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