CarbonSifrは、2023年にケイマン諸島で設立された気候テックスタートアップであり、企業や個人が脱炭素活動に取り組むためのAIベースのソリューションを提供しています。創業者は、Talabat MENAで戦略担当副社長を務めたOnur Elgun氏と、戦略コンサルタントのMustafa Serdar Bosca氏です。両者は「気候変動対策をしたいという意図と、実際の行動とのギャップ」に着目し、技術によってこの課題を解決することを目指しました。
目次
1.ビジネスモデルと技術的特徴
CarbonSifrのサービスの中核は、企業が自社のカーボンフットプリントを容易に計測・削減・除去できるプラットフォームです。AIと自然言語処理(NLP)を活用し、企業の取引データをもとにScope1〜3の排出量を可視化します。APIとして組み込むことで、ECサイトのチェックアウト時などに排出量オフセット機能を提供することも可能です。
このような技術は、特に脱炭素に関する知見や人材が不足しがちな中東地域の中小企業にとって、大きな支援となっています。

2.主なパートナーシップと実績
CarbonSifrは複数の企業や機関と連携し、脱炭素への取り組みを実装しています。
- Mastercardとの協業では、銀行や加盟店が取引ごとの排出量を顧客に可視化し、カーボンオフセットの選択を促す仕組みを構築。
- ライドシェアサービスCareemでは、エコ車両の選択肢や排出量オフセットを促す機能が導入されました。
- Emirates Driving Company(EDC)では、免許取得プロセスにおける排出量を算出し、グリーン免許の選択を可能にしています。
これまでにCarbonSifrは、125,000人以上の個人ユーザーのアクションを通じて、1.5百万kgを超えるCO₂eの削減を実現しています。
3.地域特化型アプローチと社会的影響
CarbonSifrは地域性を重視しており、例えばアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアでは、マングローブの植林や湿地保全など、地域に適したCO₂e削減プロジェクトへの寄付や支援を組み込んでいます。
同社はまた、Emirates Nature-WWFの公式パートナーに認定され、COP28では「Leader of Change」賞を受賞するなど、その社会的貢献度が高く評価されています。
4.今後の展望と成長戦略
CarbonSifrは、アブダビのスタートアップ支援拠点Hub71や、Google for Startups Acceleratorなどの支援を受けており、今後は中東を超えたグローバル展開も視野に入れています。特に、より多くの企業や消費者が日常の中で脱炭素に取り組めるよう、サービスの多様化と連携先の拡大が計画されています。
5.今後の展望と社会的インパクト
EF Polymerの技術は、水資源の有効活用、農業廃棄物の削減、化学肥料依存の低減といった多面的な社会課題の解決に貢献し得るポテンシャルを秘めています。特に、水不足が深刻な発展途上国では、同社の製品が農業の持続性と生産性を飛躍的に高める可能性があります。
また、地球規模でSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献するスタートアップとしての評価も高まりつつあります。今後は、製品の多用途化(造園、水害対策など)や規模拡大に伴うコスト最適化が鍵となるでしょう。
6.総括
CarbonSifrは、ケイマン諸島を拠点にAIを活用したカーボンフットプリント可視化・削減支援サービスを提供しているスタートアップです。同社は、MastercardやCareem、Emirates Driving Companyとの協業実績を持ち、APIによるCO₂排出量の算出やオフセット機能の導入を企業に向けて展開しています。また、Emirates Nature-WWFの公式パートナーとして活動し、2023年にはCOP28で「Leader of Change」賞を受賞しています。2024年時点で125,000人以上のユーザーによる行動を通じて累計1.5百万kg以上のCO₂e削減を達成し、脱炭素技術の地域実装を推進しています。
参考:https://www.carbonsifr.com/
https://www.sme10x.com/entrepreneurship-2/carbonsifr-in-pursuit-of-a-tech-enabled-decarbonised-future
https://aim2flourish.com/innovations/carbonsifr
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